今年最後の理科実験 〜まるで超能力?その正体〜(動画付き)

理科実験教室

気がつけば、今年も年の瀬。

教室で行う理科実験も、これが今年最後となりました。

冬の理科実験といえば、やはり静電気。

乾燥した空気は、静電気にとって最高の舞台装置です。

実はこの静電気、江戸時代には**「エレキテル」と呼ばれ、人々を驚かせていました。

つまり今日の実験は、ちょっとした江戸の最先端科学体験**でもあるわけです。

ストローが勝手に動く!?

まずは定番の実験。

ティッシュでこすったストローを、ペットボトルの上にそっと乗せます。

そこへ、別のティッシュでこすったストローを近づけると……。

ストローが逃げるように回り始める。

「うわっ!」「なんで!?」「超能力みたい!」

子どもたちは、ペットボトルの周りでストローをクルクル回しながら大興奮。

しかし、ここで終わらせません。

問題提起が理科を面白くする

ここで、ひとつ質問を投げかけます。

「今はストロー同士が反発しているね。

じゃあ、ストロー同士を引きつけるには、どうすればいいだろう?」

途端に、教室の空気が変わります。

遊びから、思考へ。

さらにヒントを出します。

「今日、君たちが学校に持ってきている物の中に答えがあるよ。」

子どもたちは一斉に考え始めます。

筆箱を開け、定規を試し、下敷きをこすり、試行錯誤。

そして――

消しゴムで、世界が変わった

ある子が、消しゴムでストローをこすりました。

するとどうでしょう。

今度は、ストロー同士がスッと近づき、引き合ったのです。

「えっ!?」

「さっきと逆だ!」

「なんで!?」

この瞬間こそ、理科の本番です。

見えない電気に、ルールがある

同じストローでも、

   •   ティッシュでこすると → 同じ電気の性質を帯びる → 反発

   •   消しゴムでこすると → 違う電気の性質を帯びる → 引き合う

静電気は気まぐれではありません。

必ずルールに従って動いているのです。

子どもたちは、

「偶然じゃない」

「理由がある」

ということを、体験を通して理解していきます。

理科実験の本当の価値

理科実験の目的は、派手な現象を見せることではありません。

   •   なぜだろう?と考える

   •   試して、失敗して、また考える

   •   そして、自分の手で答えにたどり着く

このプロセスそのものが、学力の正体です。

今年最後の理科実験は、

子どもたちに「超能力」ではなく、

考える力という本物の力を残してくれました。

来年もまた、

「面白い」から始まる、本気の学びを続けていきます。

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